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Metaが個人向けAIエージェントMuseを公開

個人専用のクラウド環境で調べ物や各種サービスの操作を進め、必要なときに承認を求める。公開後の広がりと、任せられる作業、データを扱う仕組みを解説する。

アプリを閉じたあとも、自分の用事を進めてくれるAIは日常に定着するか。MetaのMuseは、会話を入口に、調べ物や継続的な作業を引き受ける。公開後の広がりに加え、どこまで任せ、どこで人が確認するのかが焦点になる。

この記事の要点

  1. Museは個人専用のクラウド環境で動き、アプリを閉じても依頼した作業を続ける。
  2. 購入は毎回承認を求める。接続するサービスと操作権限は利用者が選べる。
  3. 米国で公開した後、カナダにも拡大した。日本向けの提供は、確認した発表では案内されていない。
Metaが公開した個人向けAIエージェントMuseの公式発表画像
出典:Meta

出来事

  • Metaが米国時間9月8日、日本時間9日にMuseを公開した。基盤のAIモデルにはMuse Sparkを使う。
  • 米国ではiOS、Android、ウェブで提供を開始。カナダでの提供も9月18日に報じられた。
  • 基本的な利用は無料で、利用量を増やす有料プランも用意する。

一次情報:Introducing Muse, a Personal AI Agent、How We Designed Muse

米国で公開したあとカナダにも提供が広がった

Metaは9月8日、個人向けAIエージェントMuseを米国で公開した。専用アプリやウェブに加え、WhatsAppからもやり取りできる。質問への回答にとどまらず、利用者に代わってサービスを操作する製品だ。

9月25日のTechCrunchによると、Sensor Towerは24日までのダウンロード数を340万件超と推計した。

ダウンロード数は、日々使う人数や、用事を最後まで任せられた回数とは違う。公開時の関心を測る材料にはなるが、継続して使われるかどうかは別に確かめる必要がある。

提供地域も公開時から変わった。iPhone in Canadaは9月18日、Metaの告知をもとにカナダでの提供開始を報じている。同日の報道ではiOSとウェブが対象で、Androidは今後としていた。米国だけで公開した時点の説明を、そのまま現在の提供範囲には使えない。

アプリを閉じても作業を続けて必要なときに知らせる

Metaの説明では、Museは個人専用の仮想コンピューター「Muse Secure VM」で動く。ブラウザーを開いてページを調べ、フォームを埋めるなど、接続したサービスを使って作業する。会話や登録した目標を手掛かりに、次の作業を提案する機能も持つ。

設計担当者の解説によると、複数の仕事を並行して進め、予定や関連する出来事に応じて続きに取り組む。アプリを閉じている間も動き、意味のある変化や利用者の判断が必要なときに通知する設計だ。

活動履歴では進めている作業を確認でき、Goalsの画面では長期の目標と計画を見られる。Museが覚えている情報も読み直して編集できるという。長い依頼を任せるほど、返ってきた文章だけでなく、何を参照し、どの操作を終えたかを追えることが重要になる。

購入は毎回承認を求め操作権限を利用者が選ぶ

Metaの技術解説では、作業を進めるMuseとは別に、Sentinelという仕組みが操作の許可を判定する。設定済みの権限に沿って実行を認めるか、拒否するか、利用者に確認するかを決める。

すべての操作で確認画面を出す設計ではない。すでに許可した読み取りなどは進められる一方、購入は毎回、内容を示して利用者の承認を求める。メールなどの接続先は、サービス側が対応する範囲で、読み取りと送信の権限を分けられる。

公開時の案内では、接続するアプリを選び、後から権限を変えたり接続を解除したりできる。パスワードなどは分離した場所に保存し、作業を進めるAIに直接見せずに使うとしている。

図1Museに任せる範囲を利用者が決める

作業の継続と操作の許可を分けて管理する設計。

  • 調べ物や継続的な作業依頼した目標に沿って進める

    Museの動きアプリを閉じても継続

    利用者の関わり活動履歴で確認

  • サービスとの接続メールなどの読み取りや操作

    Museの動き与えられた権限を使う

    利用者の関わり権限を変更・解除

  • 商品の購入注文する内容を確認する

    Museの動き承認を待つ

    利用者の関わり購入ごとに判断

Metaが説明する設計を整理したもの。実際の仕事の成功率や、安全性の独立した評価を示す図ではない。

Metaの設計解説使い方の設計と権限と承認の仕組みをもとに編集部が作成。

Metaからのアクセスを暗号技術で防ぐ仕組みは今後の予定

技術解説は、現在のSecure VMでは利用者ごとのデータを分離し、Metaの担当者によるアクセスを運用規則で制限すると説明する。ただし、サービスの運営や安全確保などに必要な場合のアクセスまで技術的に不可能にするものではない。

Meta自身もデータを読めないようにする「Muse Confidential VM」は、年内の提供を目指す別の仕組みだ。現在の製品が、すでにこの保護を備えていると受け取るべきではない。

広告と学習の扱いも分けて見る必要がある。Metaは会話やVM内のデータを同社の広告システムに共有しないとする一方、モデルの学習に使うことは利用者が設定で拒否できるとしている。「広告へ共有しない」が「学習にも使わない」を意味するわけではない。

継続利用の価値は用事を終えるまでの手間で決まる

以下は編集部の見方だ。Museの価値を判断するには、返答の自然さに加えて、人が手順を説明し直す回数、承認にかかる時間、誤った操作を直す手間を見る必要がある。途中まで自動で進んでも、最後に人が大きくやり直すなら、日々の負担が減ったとは言いにくい。

反対に、長く続く調査や予定の確認を任せ、必要な場面だけ判断できるなら、会話への即答とは別の利点が生まれる。作業履歴と権限の管理画面は、その使い方を確かめるための重要な部分だ。

日本向けの提供時期は、今回確認した発表では示されていない。現時点では、対応地域での利用が広がる中で、どの用事なら任せられるのかを見極める段階にある。

出典・参考資料

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